先日のエントリで一番混乱を招いていたのが『離合』だった.
方言の正確な定義を知らないけど,標準語では無く,一部地域以外では全く通じない語句は方言だろう.その意味で,『幅の狭い道で車が徐行でギリギリにすれ違う事』を『離合』というのは方言そのものである.しかし,使ってる側は方言だなんて夢にも思っていない.そんなわけで,『離合』の悪質さを挙げてみようと思う.
割と広い地域で通じる
いろいろ見てみたけど,JAF福岡によるまとめが一番実態に近そう.九州・四国が中心で,中国地方は岡山辺りから使わなくなり始め.関西は使ったり使わなかったり.
漢熟語である
熟語な上,単語としては存在するせいでIMEによる漢字変換なども問題なく行われる.一応,バス・鉄道用語でもあるみたいだし.
他に表現のしようがない
『○○を方言で○○という』って感じに置き換える対象が標準語に無いのがタチ悪い.『すれ違い』よりももっと道が狭くて手間かかる感じなんだよ.
使う機会が少ない
意味的に使う機会なんて1年に片手で数えられるほどなので,間違いに気付く機会が少ない.
自動車学校や道路標識でも使われる
使ってる側は離合が方言とか夢にも思わないせいで,公的寄りな場合でも平気で使われてる.
Wikipediaによるとこういう成立が最近なものを新方言というようだが,さすがにここまで例外的な方言は離合くらいのもんみたいだな.これの成立を調べるだけで人文系の卒論くらいかけそうである.